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サビが出たのですが
ステンレス鋼は決してサビない鋼ではありません。しかしサビにくい鋼ではあります。ステンレス鋼がサビにくいのは、表面に「不動態皮膜(ふどうたいひまく)」と呼ばれる薄い膜に覆われているからです。
この膜はステンレス鋼に含まれるクロムが空気中の酸素と結びついて生成される膜なので、空気に触れているだけで生成されるものなのですが、ステンレス鋼が空気に触れることが出来ない状態(付着物等)や破壊される(塩分等)ことによってサビが発生します。
お手入れの際にはご注意頂き、水気を拭き取って収納下さい。
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内面に白い付着物がついたのですが
これは水に含まれるミネラル分(マグネシウム・カルシウム等)が付着したものです。もともと水に含まれている成分ですので体に害を及ぼすものではありません。水道水でも付着しますが、ミネラルウォーターは更にミネラル分が豊富なために付きやすくなります。
これを取り除くには
クエン酸煮沸前
↓
クエン酸煮沸後
クエン酸(薬局にて販売 500g:約1,000円)を水に薄めたものを沸騰させてください。(鍋・ケトル[やかん]に半分程度水を入れて、キャップ1杯程度のクエン酸を入れて下さい)
ポット洗浄剤
水の量に対して10%程度のお酢を入れた水を沸騰させて下さい。
【目安量】
水を鍋・ケトル(やかん)の半分程度入れて、お酢の量は
16cm鍋 ・・・ 大さじ5杯
20cm鍋 ・・・ 大さじ10杯
2.5Lケトル ・・・ 大さじ8杯
上記のいずれかで取り除くことが出来ますので、その後、食器用洗剤で洗って乾かして下さい。
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白い斑点が出たのですが
これは、「孔食(こうしょく)」と呼ばれるサビの一種です。
この現象は、特に塩分の付着によって引き起こされる現象です。塩分を含んだ料理をされた後はよく洗って水気を拭き取って保管して下さい。
また、水道水の水質基準では衛生上、消毒・殺菌の為に塩素が含まれていますので、洗った後には水気を拭き取って保管して下さい。
この白い斑点は取り除くことはできませんが、そのまま使用しても問題はありません。
白く孔食した例
顕微鏡写真
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茶色い斑点が出たのですが
これは、「孔食(こうしょく)」と呼ばれるサビの一種です。
この茶色い斑点が進行すると、白い斑点(上項参照)となります。お手入れの際にはご注意下さい。
茶色く孔食した例
顕微鏡写真
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内面が虹色に変色したのですが
この現象は水の中に含まれる微量の鉄や銅などが水の蒸発によってステンレス鋼の表面に付着して虹色に見せている現象です。
水に含まれている成分ですので体に害を及ぼすものではありません。
これを取り除くには
クエン酸煮沸前
↓
クエン酸煮沸後
クエン酸(薬局にて販売 500g:約1,000円)を水に薄めたものを沸騰させてください。(鍋・ケトル[やかん]に半分程度水を入れて、キャップ1杯程度のクエン酸を入れて下さい)
ポット洗浄剤
水の量に対して10%程度のお酢を入れた水を沸騰させて下さい。
【目安量】
水を鍋・ケトル(やかん)の半分程度入れて、お酢の量は
16cm鍋 ・・・ 大さじ5杯
20cm鍋 ・・・ 大さじ10杯
2.5Lケトル ・・・ 大さじ8杯
上記のいずれかで取り除くことが出来ますので、その後、食器用洗剤で洗って乾かして下さい。
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ガラス蓋が割れたのですが
ガラスの破損の原因としまして、
落とす 等の衝撃
熱いうちに水の中に浸ける等の急激な温度変化
ガラスの耐熱温度を超えた熱が加わった場合
が考えられます。
特に3については、ガラス蓋を本体からずらして火に掛けていた場合等に縁の金属部が熱せられて割れるということがありますのでご注意下さい。
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フッ素樹脂が剥がれたのですが
フッ素樹脂が剥がれる原因としまして、
フッ素樹脂が茶色く変色するくらいの高温で熱せられた場合
金属ヘラや尖ったもので削られた場合
ガラスの耐熱温度を超えた熱が加わった場合
が考えられます。
熱によって茶色く変色すると、フッ素樹脂はかなり劣化した状態であると言えます。火力を中以下で抑えてご使用頂くことで皮膜を長持ちさせる事ができます。
しかしながら、半永久的なものではありません事をご理解頂きたいと思います。
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鍋やケトルは食器洗浄・乾燥器に使えますか
ハンドル(取っ手・にぎり)やツマミ等にプラスチックを使用している製品は使用しないで下さい。脱脂・乾燥によりプラスチックの劣化の原因となります。
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プラスチックが焼けたような臭いがするのですが
取っ手部分が焼けていないかを確認して下さい。
プラスチック部分にフクレがあったり、金属部が茶色く変色しているようですと、火力が強い証拠です。鍋底からはみ出さない程度の火力でお使い下さい。
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取っ手がグラグラするのですが
取っ手部分が焼けていないかを確認して下さい。
焼けているようですと、樹脂が劣化した為のグラツキです。鍋底からはみ出さない程度の火力でお使い下さい。
このような状態になっていないにも関わらず取っ手がグラつく場合は、ネジ式のものはネジを締めなおしてください。ネジ式ではないものは使用を中止してください。
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「鍋の中に料理を保存しないでください 」と書いてある理由は
一般的な鍋については、『家庭用品品質表示法』という法律に基づいて「雑貨工業品品質表示規程」という規程があります。その中で、鍋について表示する項目が規定されており、「鍋の中に料理を保存しない旨」を表示するよう義務付けられています。
お客様の中には料理したものをそのまま鍋の中に入れておくという方もいらっしゃるとは思いますが、弊社と致しましても、調理内容・塩分濃度などの違いから、鍋に料理を保存することはサビの原因にもなりますので避けて頂きたいと考えております。
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3層鋼の鍋の縁がサビたのですが
弊社での3層鋼は鉄をステンレス鋼でサンドしたものを使用しております。
端面は鉄が露出した状態になっているので、このままの状態ではすぐにサビてしまいます。 その為に、縁の端面を内側に巻いて鉄が表面に露出しないようにしております。
通常の使用であれば、そこからサビが発生することはありませんが、
鍋を水に浸け置きする
洗った後に鍋を逆さにして保管する
三層鋼鍋のフチがサビた例
このような状態にしますと、縁のスキマに水が入り、中間層の鉄がサビる事がありますので、お手入れの際にはご注意下さい。
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鍋の蓋が開かないのですが
これは、蓋をしたままの状態で鍋が冷えると、鍋の中の気圧が下がる為、蓋が押さえつけられる状態になることから起こる現象です。
蓋を開けるには、鍋を弱火に掛けてください。それによって鍋の中の気圧が上がり蓋が開くようになります。
また、蓋と本体の間に煮汁等がついた場合には、煮汁の付着部分に水を少量かけてから弱火に掛けて頂くと蓋が開くようになります。
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鍋をIHで炒めものに使用したら鍋底が変形したのですが
鍋で炒めものをされますと、IHでもガス火でも鍋底は変形します。なぜ炒めものをすると鍋底が変形するかといいますと、通常、水は沸騰しても100℃までしか温度は上がらず、食材が入っていても沸点はわずかに上昇するだけで100℃を大きく上回ることはありません。その為、鍋本体の温度上昇を防止することができます。しかし、鍋に水の入っていない状態(空炊き、炒めもの)にされますと、鍋の温度上昇を防ぐものがなくなる為に、鍋本体の温度はどんどん上昇し続けます。その結果、鍋底の変形につながるのです。
IHのトッププレートは平面な為、鍋が変形するとガタついて使いにくくなりますし、効率良く調理頂けない原因ともなります。場合によってはご使用頂けなくなることも考えられます。
鍋を長くお使い頂く為にも、鍋で炒めものはしないようにして下さい。
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鉄のフライパンで食材がこびりつくのですが
鉄のフライパンで食材がこびりつく一番の原因は油が馴染んでいない事です。
油を馴染ませる為には、
(1)使い始めの「焼き込み」作業を十分に行う。
この焼き込み作業を十分に行う事で、油を馴染ませる事が出来ます。鉄は加熱することによって、表面に酸化皮膜と呼ばれる薄い膜が生成されます。この膜は多孔質な膜の為、油はその孔に入り込み油が馴染みます。油は鉄そのものに馴染むのではなく、酸化皮膜内に馴染みます。
その為に酸化皮膜の生成が必要不可欠ですので、十分に焼き込み作業を行って下さい。
(2)毎回使用する前に「油返し」を行う。
フライパンから煙が出始めるまで余熱します。
煙が出過ぎている場合は加熱しすぎなので、一旦火を止めて下さい。
炒め料理よりも少し多めの油を引いてよく馴染ませて下さい。
余分な油はオイルポットに移し、必要な分の油を入れて調理を始めて下さい。
(3)使用後に食器用洗剤を使用しない。
使用後に食器用洗剤を使用しますと馴染んだ油が落ちてしまいます。お湯につけてスポンジタワシ又は亀の子タワシで洗い、洗った後はよく乾燥させて、表面に油を塗って収納します。
以上の点に注意して下さい。
油がよく馴染んだフライパンの表面は手で触るとツルツルします(油を引いていない状態でも)。この状態になるまで油馴染みをよくして頂くことでこびりつきにくいフライパンになります。
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鍋で1回炒めものをしたら茶色く変色したのですが
この変色は、過熱された事によって、ステンレス鋼表面に鉄の酸化により生成された酸化膜の表側で反射する光と、酸化膜の中に入って反射する光が重なり合う「光の干渉」によって茶色に見えている現象です。
この色は「テンパーカラー」と呼ばれるもので、温度によって色が変化します。
(右下表)
この現象は水の入っている状態であれば、水の沸点は100℃の為、その部分が変色することはありませんが、水の入っていない状態(空炊き、炒めもの)でご使用になると、鍋の温度上昇を防止するものがない為に、温度上昇し続け、今回のような変色に繋がります。
一回炒めものをして茶色く変色した鍋
空炊きが続いた状態の鍋
(一部淡青色に変色)
また、水が半分程度入った鍋を鍋底をはみ出す火力で過熱し続けると、水の入っているところは色は変わらず、水の入っていない上側だけ色が変わります。(ケトルも同様です)
この変色は体に害があるものではなく、そのままご使用頂いても問題はありませんが、落とす場合はホームセンター等にて販売されているステンレス鋼専用の磨き剤をご使用下さい。
鍋上側半分が焼けている状態
ステンレス鋼専用磨き剤
で焼けを落とした状態→
変色を予防する為には、
・空炊き、炒めものをしない
・鍋底をはみ出す火力で使用しない
以上の点にご注意下さい。
<光の干渉について>
光には波の性質があり、波の大きさが「光の明るさ」を、波の幅(波長)が「光の色」を決めています。
光の波長がそろった時、光は強くなり、波長が揃わない時は光は弱くなります。
例えば、「リンゴが赤く見える」のは、赤い光のみが反射してあとの光は吸収されたので赤に見えています。人間の目は「光の3原色(赤、緑、青)」と呼ばれる3色の掛け合わせによって色を認識しています。この3色がすべて100%で組み合わされると色は白になります。
尚、波長は長い方から
赤→橙→黄色→緑→青→藍→紫
となり、可視光線は380~780nm(ナノメートル:1ナノメートル=100万分の1mm)の波長の光であり、赤より波長の長いものは赤外線、紫より波長の短いものは紫外線でいずれも目に見えない光です。
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SGマークってなんですか
SGマークは下のようなマークです。
当社の商品でもパッケージ等にこのような表示をしており、製品にも刻印やシール等にてSGマークを表示しています。
パッケージ
本体底裏
このマークは、1973年に制定された「消費生活用製品安全法」に基づき、通商産業省(現:経済産業省)の特別認可法人として設立された「製品安全協会」が制定したものです。
「SG」の「S」は「Safety(安全)」、「G」は「Goods(製品)」の頭文字です。
財団法人製品安全協会では、消費者の視点に基づく製品の安全性に関しての認定基準を作成し、その基準に合格した製品にSGマークの表示の許可をしています。
当社製品で取り扱いしている基準では、
・CPSA0123「クッキングヒーター用調理器具」
・CPSA0003「家庭用圧力なべ及び圧力がま」
があります。
また、このSGマークが表示された製品に万一、欠陥があり、その欠陥によってけがなどの人身事故が発生した場合の賠償措置が実施されます。
より詳しい説明については「製品安全協会」のホームページをご覧ください。
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SGマークのとなりのCHIHってなんですか
写真のように、SGマークのとなりには「CH・IH」と表示しています。
SG認定基準のうちの「クッキングヒーター用調理器具」の基準に適合していることを示すマークです。
まず、「CH」は「クッキングヒーター」の事であり、このマークのある鍋はすべてのクッキングヒーターに対応しますということを意味しています。
クッキングヒーターには
・ラジエントヒーター
・ハロゲンヒーター
・シーズヒーター
・エンクロヒーター
などがあり、もちろん、IHもクッキングヒーターに含まれます。
「IH」はIHクッキングヒーター(電磁調理器)のことです。
本来であれば、CHだけの表示でIHも包含されるのですが、CHの表示に馴染みがないということもあり、両方の表示になっています。
尚、IHしか認定を受けていない場合にはIHのみの表示となります。